福島【檜枝岐歌舞伎の夕べ】農村歌舞伎の檜枝岐歌舞伎を鑑賞しました
by NPO法人交流・暮らしネットvol.1
2022年9月3日
福島・檜枝岐村に伝わる檜枝岐歌舞伎は、江戸時代後期に村人がお伊勢参りに行った折、上方や江戸で観た歌舞伎を村の娯楽に取り入れたのが始まりとされています(諸説あります)。この農村歌舞伎は、神々への五穀豊穣を感謝しての奉納歌舞伎でもあり、農民に綿々と受け継がれてきた誇りであり、営みです。
檜枝岐歌舞伎の伝承団体が「千葉之屋花駒座(ちばのや・はなこまざ)」です。大正末期の結成で、桓武平氏の流れ・千葉氏の末流とされています。この南会津地域は平家の落人が多く、山の料理や川魚が主体。会津料理は保存食として万能で、今にその知恵が伝わります。
昨年、NPO法人交流・暮らしネットの創立16周年を記念して、檜枝岐村を訪問しました。星村長や観光課長と意見交換をさせていただきまして、そのときの「公約」通りに、今年は役員の皆で、歌舞伎鑑賞会となりました。
演目は、銀座・歌舞伎座や京都・南座等では観ることができない「神霊矢口の渡 八郎物語の段(二段目)」。(しんれいやぐちのわたし、と読みます。浄瑠璃が起源です)。原作は、平賀源内とされ、通称「矢口渡」で知られています。
お花代を些少ですが、「NPO法人交流・暮らしネット」として納めさせていただきました。毛筆での半紙が次々、貼られていきます。
上演前は、あいにくの曇天で、次第に雨模様に。途中から本降りになりましたが、首尾よくカッパを着こんで前から2列目のゴザに座りました。マイ座布団ご持参の慣れた方もいらして。早めに会場入りするのがよいですね。
檜枝岐歌舞伎のご司会・指南役は、NHKの歌舞伎解説でおなじみフリーアナウンサーの葛西聖司さんです。それはもう絶妙なご解説でした。
歌舞伎の言い回しなどが耳慣れず、ストーリーが読み取れないことも多々あるのではないでしょうか。そうした方々のために分かりやすく、口語体でご説明くださるうえに、タイミングよく「はい、拍手」、「拍手~~」と、手を叩くタイミングを教えてくださいます。それがもう、面白くっておもしろくって。途中から大雨になりましたが、誰も席を立ちません。
通常は年2回の開催で、うち1回は村民のための上演、もう1回は「観光歌舞伎」とされ、観光客が対象です。ただし今年は特別、計3回だそうで、のちにもう1回、上演の予定があるそうです。私たちは観光歌舞伎を観ました。
一番、驚いたのは、昨年お世話になった(当時の)観光課長が、舞台で大役を果たされていたこと!!
大入叶によりますと役名は「笹目の兵太」。これには思わず大きくリアクションしました。
今宵、晩夏の夕べ。
東京から約5時間弱。山深いここ檜枝岐村にて、このとき限り、このときだからの感動をもらえたことに、心から感謝しています。
コロナ明けの複雑な想いを胸に、これからの檜枝岐村の益々のご発展を祈念いたします。
※星村長様、ご丁寧な礼状をありがとうございました。